好きな映画がありすぎて♪
2018年 01月 30日
上映期間中は見逃し1月の芸術館シネマの上映を見逃し;;
ちょっとのんびりの日にDVDを借りてようやく見ることができた映画です。
イルドフランスの小さな町ヴァルモンドワ 美しい緑の広がるパリ郊外の邸宅に
お叔父の膨大な美術コレクションを守りながら一人住む母のもとに
誕生日のお祝いで集まる子供たち。
それぞれの場所で忙しい現実を生きている彼ら。
子供のころの思い出がたくさん詰まる家や庭、価値ある美術品、名のある調度品も
母親が守っている間は何気ない生活の中に溶け込む日常の風景です。
夏の庭、家のインテリア、キッチン・・古い家にぴったりと似合って
とても素敵です。
夏ののどかな庭で語り合う家族、お茶の時間。
時の流れが緩やかに進む場所・・。
誰もが続いてほしいと思う時間です。
日本の田畑が広がる庭・・・。高原の家。
私たちと同じような思い出の場所、いつかのあの時間なのですねえ。
ストーリーはこの後急逝した母の残した莫大な美術品と家を
母の意思も含め相続処理をしながら生きる現実と心の思いのギャップに
揺れ動きながら決断していく子供たちの姿が描かれます。
オルセー美術館から借り入れたコローやルドンの絵画、ブラックモンの花器、
アール・ヌーヴォーの家具 どれも素晴らしいです。
映画では母が守ったその美術品があの家からオルセーへ寄贈される
ことになります。
美術品として展示されたそれらはもうあの家で皆の時間を
見つめていた輝きはありません。
この場面切なく涙が出ました。
長男が小さいころから家で働いてくれた使用人のおばさんに
どれでも好きなものを持っていっていいよと言います。
私の好きな場面ですがおばさんはいつも庭の花を摘んで飾る花器を
選びました。
タクシー運転手をしている甥におばさんは言います。
あまりいいものは悪いからいつもの花瓶にしたのよと。
甥も言います。
そうだね、それがいいよ・・。
その花瓶はブラックモンの花器でした。
このおばさんにひとつの真実があるような気がしました。
その人にとって好きなものは世間的な評価は関係なく最高のものなのです。
俳優さんがとてもいい演技です。ジュリエット・ビノシュ、
シャルル・ベルリング 、 ジェレミー・レニエ
優しい気持ちになれる作品です。
ものはいつか消えますが思い出は継承されるものだと思います。
祖母、母、子供、孫・・あのときね。
あの夏の庭でね・・・・。
好きな映画になりました。
オルセーも昨年のときは行かなかったので次回はまた行ってみたくなりました。
大好きな映画はたくさんあります。
心模様が何よりも響きます。
きっと入選なさると思いますよ。
お言葉とても嬉しいです。過去に観た映画の感想の覚書を読んで新たな感じ方をしたり
10年近くなる映画がまた心を揺さぶってくれたり、
自分の書いた過去の映画たちの感想を読むだけで、もう一度観たいと思う作品を見つけたり
拙い自分のブログから書き続けられる意味を少し感じたり、覚書って良いものですね〜。
私もこの映画は日比谷で公開された時に夫と観に行きました。
オルセー美術館級では有りませんが、夫の育った家(祖父の代から築100年以上)をどうするのかが私たちの課題の一つで、この映画を見た時にそれぞれの家族の想いが私達の現在の状況と重なって胸が熱くなりました。今回の映画評を拝読し、もう一度観たくなった映画です。取り上げて下さってありがとうございます。
ようこそです。
ご主人様のご実家は代々受け継がれる大切なものがきっとたくさんおありなのでしょうね。
思い出が詰まったものを処分するのはこの映画のように残されるそれぞれのご家族の胸によぎるものがたくさんおありなのでしょうね。
我が家のようにささやかなものでも思い出が蘇ると胸がちくっと致しますから。
つたない映画の感想でコメントを下さり大変嬉しいです。
よろしければまたお立ち寄りくださいね。
コメントありがとうございます。
暖かさと切なさ、私もこの映画を見ていたい・・・。
また映画のお話聞かせてね。
お借りしている「クレアモントホテル」も心に染み入りました。
ついついどの映画も感情移入してしまうことが多く
それを自分の中に抑えていられなくてついお勧めしたくなってしまうのです。
やさしく受けとめてくださるlilyさんには
いつも励まされてその気にさせて頂いて感謝しています。
それでは引き続き押し付ける映画探しますね(爆)